newscrap >> 特別篇 "ヨカ" >>最終回 "混沌の子 ヨカ"
関西地域一帯に広がる不可解なタギング「ヨカ」の謎。
写真撮影による発生地域の現地調査を主体にしながら、
同時にWeb上に拡散している情報の追跡調査も進めていました。
今回は節目という事で、ネットで得た情報とこれまでの調査結果から、
ある程度の結論めいたものを発表したいと思います。
「謎のサイン
ヨカはクルーと呼ばれるグラフィティライターの1人、
YOKAのタグである」
「2004/02/11の時点で、関西地域にて活動中の人物は【VERY】【NEK】【YOKA】である」
これは、ある掲示板にて発見した情報です。
当然の事ながら、Webと匿名掲示板というメディアの特性を考え、
この情報を100%鵜呑みにする事は出来ません。
が、少なくともYOKAが複数の仲間と共に自分のカタカナ名を書き散らす
タギング行為を行っていた事は、この写真を見る限り確実といえるでしょう。
僕が追っていた
ヨカの生みの親は、
そのものズバリの
YOKAだった、という事になります。
続いてそのYOKAが「グラフィティ」と呼ばれる、
公共の壁などに違法に描かれるスプレーペインティングの
ライターであるという情報については、
実はとあるサイトでその真偽の確認が可能です。
このサイトは、日本各地に広がる様々なグラフィティを
肯定的 (←ここが重要) に紹介している、zerryzwebとはスタンスの異なるサイトです。
そこでは、大阪の各地に拡がる大量のグラフィティが写真で紹介されています。
その中には、
VERYと
YOKAが仲良く隣り合わせに残した
グラフィティも確認することが出来ます。
そして地理的な考察。
Webで見つけた情報によると、
YOKAは大阪だけでなく、
東京・奈良・和歌山・九州という幅広い地域にタグ
ヨカを残しています。
(アメリカのNYにまであったという噂もあります)
がしかし、やはり大阪を中心とする関西地域での発生率がダントツのようです。
更には、様々な街が密集する大阪の中でも特に「ミナミ」方面
(京橋・心斎橋・難波・西成等) にそのタグが集中しているという事実から、
「
YOKAがタギング行為を行っていた当時の主な活動範囲は、大阪市南部」と言えます。
僕の推測では、電車 / 地下鉄の経路的側面から考察すると、
京橋あたりの住宅に住んでいたのではないかと考えています。
ただし、調査開始の2003/09/29から今回の2004/07/18までの期間中、
リアルタイムでヨカがいっさい追加発生していなかった事を考えると、
今現在も【YOKA】氏が大阪在住かどうかは、怪しくなってきます。
更に、心斎橋にて調査を開始したこのリポートですが、何とも灯台もと暗しというか…
彼らの表現手段の道具である「スプレー缶」等を専門に扱っていた、
あまりにもいかにも過ぎる店舗のWebサイトも、発見出来ました。
写真で見る限りは、少なくとも
ホームセンターや普通のペンキ店とは全く趣の違う、独特な雰囲気がありました。
でした、と過去形で書いたのは、現在は閉店しているからです。
このお店が営業していた頃はグラフィティの展覧会なども併設していたようですし、
彼らがこの店でスプレー缶を購入し、心斎橋アメリカ村で猛威を奮ったと想像するのは、
100%の確信は持てないにしても、そう不自然な事ではないと思えます。
YOKAを始めとする彼らグラフィティライター集団のチーム名は【CMK】というそうです。
第8回で発見したものの、すごい勢いでシカトしていたCMKタグは、
実は彼らのチーム名だったのです。
メンバーは
【DIST(リーダー格?)】をはじめとして、
【CASPER】【JOE】【VERYONE (VERY?)】【MSY】【PRM】【NP】【MT】
【NORI】【IKKYU】【VATO】【TERA】【DROP】そして
【YOKA】の14名だそうです。
これらのメンバー名は、その殆どが調査中に発見出来たタグとも重複します。
ヨカが目立ち過ぎていた為に他のタグが一般人の目にとまらなかっただけで、
実は彼らはほぼいつもチームで行動し、共にタグを残していたのかも知れません。
CMKの活動範囲は広く、日本国内に留まらず、
アメリカやアジアにまで勢力を拡大しているとの事です。
しかしここまで事実が判明した後でも、
YOKAを始めとする彼らグラフィティライターが、何を目的に、どのような世界を理想として
これらの活動に走るのかは、僕の力では解き明かす事は出来ません。
何にしろ反社会的な活動である事は確かであり、僕もそれを肯定する気は全くないのですが、
そもそも彼らを敵とみなす「社会」というもの自体の在りようさえ信用に値しない今のこの国で、
彼らは体面的には「社会」の側に属している私達に、何を訴えかけようとしているのでしょうか。
僕には、彼らの行為や存在そのものが、今の日本を表す1つの象徴であるかのように思えます。
一見すると平和に過ごせているこの国で、しかし裏では有形無形の得たいの知れぬ存在が跳梁跋扈する。
でもそれを見ないようにすれば生きていける。僕らが望めば意識を遮断する事さえできる。
この、現実の表面に隠れた混沌の世界から、ヨカは私達を見つめているのかも知れません。
最後に、ある情報屋さんから入手した、彼ら
CMKの集合写真を転載します。
…あぁ、遭遇しなくて良かった…
(2004/07/18)